彼女の作品は、そのフレームに止まらない無限の広がりを持っている。無限の広がりの中から、ある特定の領域を切り取ったようで、それを見ていると、その周りにあるイメージを確かに感じる事ができる。
ジャスパー・ジョーンズらが、悪戦苦闘し、命を削って作り上げようとしたものが、彼女にとって純粋な形式で完成させられている。
パウル・クレーが、この世に存在しないものを、あたかも存在するかのように描く、といっていたものが、今、目の前にある。
彼女の作品は、抽象絵画などではない。それは紛れもなく、現実を描いている。
それは、自然が生んだアート、自然の中から生まれたアート。自然の一部としての人間によって形にされたアートだ。
彼女の作品は、現代音楽を思い起こさせる。始まりのない音楽、終わりのない音楽。ただその時の、その瞬間の音楽。彼女の作品についても、同じ事が言える。
日本のさまざまな意匠芸術。同じ花模様、ツタなどの無限の連なり。彼女の作品との共通性。
彼女の作品を絵画とのみ考えるべきではない。それは、彼女の言葉、文字、記憶、想い、あるいは、彼女そのものである。そしてそれは、芸術というものの、本質でもある。
彼女の描く線は、アラベスク、書道、ケルトの聖書などと通じる。
彼女は、何か、とてつもなく大きなものを描いている。それは、この世の全てのものと繋がっている。人は、その作品の中に、自分の中の根源的なものと出会う。
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